リトミックの要素を取り入れた音あそび活動の授業

非常勤講師として勤務している短大で、リトミックの要素を取り入れた音あそびアンサンブルのクラスが今年度初めて設定され、私も携わることになりました。

私を含め3人の先生達で授業を進行し、前例がない中で試行錯誤の連続となり、大変なことも多々ありましたが、実り多き貴重な経験となりました。

授業では、大きい/小さい、強い/弱い、速い/遅い、といった様々なニュアンスの違いや変化を、音やリズムを使って、学生達にも実際に自分の身体を使って表現しながら体感してもらうという活動を、繰り返し行ってきました。

その活動は保育現場においては、子供達にとって音とリズムで遊ぶ楽しい音楽活動であると同時に、新たな語彙に触れる機会を作ったり、幼児がまだ体得しきれていなかったり、言葉では説明しにくい感覚である強弱や速度の変化などを、遊びながら自然と身につけていくという狙いもあります。

ゲーム性を持って知的に遊ぶことは幼児にとって「喜び」を感じるものであり、またその喜びを感じている瞬間は子どもたちの知的好奇心の扉が全開になっている状態ですので、“教える”のではなく“自ら自然と学ぶ”環境が作られることになるのです。

学年末には学生達が学びの成果を、ホールで発表する音楽研究発表会が開催されるのが恒例ですが、コロナ禍で近年はホールで収録したものをオンライン共有という形式になっていたところ、ようやく今年度は3年振りに全員がホールに集まっての発表が再開となりました。

音あそびアンサンブルのクラスは発表に向けて、授業内で取り組んできた「言葉とリズム」「動きとリズム」 の2つの活動を取り入れながら、ストーリーを組み立てて、活動内容を全て自分達で考えて発表するということに挑戦しました。

また、内容の構成や段取りの他に『初めて見る人に伝わる見せ方』も意識して取り組んでもらいました。

いいアイディアがあったり、良い事を言っていたとしても、それが見たり聞いたりしている人に伝わらなかったら残念ながら意味のないものになってしまう。

人に伝わる表現というのは、ステージ上での振る舞いに限らず、今後の実践現場においても子ども達や親御さんとのコミュニケーションスキルや日常の様々なところで必要になるものだと思うからです。

受け持った5つのグループ全てが、それぞれの工夫や良さがあり、そして直前のリハから更に磨きをかけて、最後の本番のステージで最高のパフォーマンスをしてくれました。

みんな袖にハケてきた時には、やりきって充実した、とても良い顔つきをしていてようやくこちらもホッとできました。

未来を担う子ども達のためにできることを考えると同時に、その子ども達に寄り添って保育をする保育士の卵の学生達に伝えられること、自分には何ができるかな、どんなお手伝いができるんだろうということを、授業を通してより一層考えさせられました。

保育現場における音楽活動は、芸術を嗜む嗜好品としてのものではなく、日常生活に直結する実用品としての音楽だと私は考えています。

様々なアプローチがある中で、私は音楽というツールを使って、子どもたちの生きる力の土台を育むような人間教育に携わりたいと思っていますし、この度の学びを活かして、更に指導内容のブラッシュアップと価値を高めていきたいです。