わらべうたで楽しむかかわり遊び

以前の投稿で社会性を育むかかわり遊びをご紹介しました。

1歳児クラスでは「どうぞ、ありがとう」の基本動作となる受け渡しの動作を、ボールを手渡ししたり、ボールを転がしたりしながら、極々シンプルな形で何度も繰り返し行います。

2歳児クラスになると幼児さんへの架け橋となる時期。
少しずつ判断力や自制心などの理性を司る前頭前野が発達し始める頃にいよいよ差し掛かってきます。
つまり、思考力、適度な負荷によるジレンマが生じるような「ゲーム性を持って知的に遊ぶ」ことがますます楽しくなるということ。

そこで基本動作はそのまま同じ、さらに規則的なリズムを刻むことと、ある「お約束」がある動きをすることを加えた遊び方をしてみます。

大人も子供時代に誰しもが口ずさんだことがあるはずの「あんたがたどこさ」を使います。
鞠つき遊びとして有名ですが受け渡しの「かかわり遊び」としても楽しく遊べます。

あんたがたどこさの「さ」の時にリズムにのって相手に渡す。
このお約束で動作を繰り返します。



始めは少しゆったりとしたテンポで。
慣れてきたらリズミカルに速めのテンポにも挑戦していくと盛り上がります。
短大の幼児教育科の授業でも学生と遊んでみましたが、大人でもちょっとしたスリルを楽しむことが出来ます。

さらに!

今度は、「さ」ではない時に受け渡し、「さ」の時は受け渡しをしない。
という逆バージョンのお約束でも遊ぶことが出来ます。

難易度が上がりますので対象は年中さん以上で行うのがちょうどいいと思います。

思わず渡しそうになる所をグッと堪える。
その判断力、自制心、コントロールを、子どもたちは遊びの中で繰り返し経験することができます。

ご家庭では親子の時間として、幼稚園、保育園では大人数の輪になってみんなで関わり合う遊びとして、簡単にできる遊びです。

規則的なリズムを刻む楽しさ、心地良さは人間の本能として備わっているものだと感じます。
その楽しさ、心地良さに加えて「ルール」が設けられることによる、ささやかなフラストレーションや面白さが子どもたちを虜にします。

「ゲーム性を持って知的に遊ぶ」ことが子どもたちは大好きです。
その夢中に遊ぶ中で経験する瞬時の判断力、自制心、マインドコントロールは、きっと子どもたちの将来を豊かに生きる力の栄養分になるはず。

音楽活動、遊びが育む力を信じて日々のレッスンに携わらせていただいています。