心が動いた時に人は自然と表現したくなる

ふれあい館親子リトミックでの出来事。

はじめてのお部屋で、はじめて会う先生。
いつもと違う雰囲気に少し緊張気味な1歳児クラスの女の子がいました。

距離を置きながらこちらをじーっと観察。

活動の最初はみんなの近くにいたけれど、しばらくするとお部屋の端っこへ。

でもそれで、いいんです。

リトミックを始める前に親御様には、もしイヤイヤしても動かなくても無理強いせずにお子さんの気持ちを尊重してください。
ということをお伝えしました。

親子が一番心地よくその時間を過ごすことが何より大事。

そして大人が思うよりもずっと、子どもたちは見ているだけ、聞いているだけでも色んなことを吸収しているのです。

その女の子もみんなから離れた場所で活動の様子を見ていました。

すると、ある活動の時に、みんなから離れたその場所で私の方を見ながら、お母さんのサポートなしに自ら体を動かして表現をしていたのです!

音楽のニュアンスが変化すると、それに呼応して自分の感じるままに動きも変化させていて、心が動いて表現したくなったその子の気持ちが真っ直ぐに伝わってきて私の心も揺れ動かされました。

そして最後は、女の子が自分で教具を持ってお片付けに来てくれました。

音によるコミュニケーションがもたらしてくれたとても愛おしい小さな感動体験でした。

0歳〜2歳の頃は、発達の観点からしても、ママという安全基地がすぐ近くにあるからこそ色んなことにチャレンジできます。
初めての場所、初めての人に対して警戒心を露わにするのは当然のことなのです。

だからこそ、その気持ちを受け止めて、子どもたちの気持ちを尊重してもらうこと。
決して無理強いせずに、遠くから見たり聞いたりするだけでもその場にいること自体が、立派に参加していることなんだということ。
どのクラスでもレッスンを始める前にそのことを伝えさせていただきました。

そのメッセージを受け取って下さり、皆さんお子様の気持ちに寄り添って参加してくださっていることがとてもよく感じられました。

そのようなお母様の姿勢があったからこそ、緊張や警戒心で最初は心を開かなかった子も、少し心の扉が開いて表現することまで出来たのです。

環境を整えること。
親子の関わりを大切にすること。
そうして初めてリトミックの活動の効果は発揮されるのだということを、改めて気付かされた出来事でした。